#57 どんなに理想が高くても実現できなければ意味がない

日常のエピソード

この言葉は、今の朝ドラ「おむすび」で、主人公の橋本環奈が、友達(同じ町内会のパン屋の娘なのですが)が勤めているコンビニ会社の高齢者向けお弁当作りに取り組んでいる時に、会社の管理栄養士が主人公と友達が考えた試作品を評した言葉です。

試作品は高齢者向けとしてはよく考えられていたけれど、メニューや材料が、会社で大量生産する時に手間がかかり過ぎることや、材料が手に入りにくいものがあり、会社としては採用する訳にはいかないというものでした。

友達はまだ新人で、初めてのプロジェクトということもあるのですが、現場のことを考えないというのはどうなの?と突っ込みを入れたくなることはあるのですが、今回の標題は、「実現可能性」ということに関連すると感じたので、取り上げてみました。

「実現可能性」ということは、以前、YouTubeやブログでの「心理司と福祉司のあいだ3・4」でも触れているのですが、その時には、どちらかと言えば心理司の方が、子どものことを考えて、福祉司に実現困難な要求をすることがある、と注意を喚起しています。

この「実現可能性」は、口で言うより現実には難しいことだと思います。ドラマでは、お弁当を作る時の手間のことと材料のことに絞られていますが、対人援助の現場では、対象となる人(児童)、家族、経済状況、支援する機関(機関の担当)など、考慮した方が良いことはたくさんあります。すべての人にとって良いことを考えることは無理でも、優先順位をつけて考える必要があります。とはいえ、優先順位をつけることも難しい場合があります。その場合、何を基準にして優先順位をつけるのか、自分の立ち位置や価値観などが関係してきます。結局、支援しようとする人や周囲の人達だけでなく、自分自身の支援感を試されることも出てくると思います。

ドラマで言えば、「高齢者に向けてのお弁当を作りたい」という意思のもと、お弁当のメニューや作るための現実(手間や材料)があり、現実の中で妥協せざるを得ないこともあるでしょう。しかも、それだけでは会社としては売りだせないと言われます。それは、なぜ高齢者向けのお弁当を作るのか?ということに対する答えと会社としての方針や売り上げのことも考慮することが必要で、ドラマでは「フレイル」という健康な状態と要介護状態のあいだの段階のことをテーマとして、「フレイル」ということを広く知って貰い「フレイル」状態にならないよう十分な栄養を取るために新発売のお弁当を食べましょう、というキャンペーンをすることで解決しています。会社として「健康寿命を延ばしましょう」と社会に貢献することと売り上げにつながる可能性が高いと判断されることで、採用されたと言えると思います。

対人援助の場合は、ドラマのように明確な形で解決策が出ることは稀だと思いますが、支援対象の人と支援する側の人の多くが納得できる支援方法を追求していくことが大切だよなあと感じた時間でした。

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