#90 〇〇ファーストと多様性

日常のエピソード

日常のエピソード7で『チャイルドファースト』に触れていますが、『〇〇ファースト』という言葉は、あまり好きになれません。

エピソード7では、「何かを選択することは何かを捨てること」という朝ドラのセリフから『チャイルドファースト』を連想して書いていますが、今回は、衆議院選があったこともあり、最近、政治の世界で『〇〇ファースト』という言葉を耳にするようになったなあ思います。

ここで、政治のことについて書くつもりは毛頭ないのですが、『〇〇ファースト』という言葉が、内実よりはイメージを伝える言葉になっているなあと感じることが多くなったので、取り上げようと思った次第です。

虐待対応における『チャイルドファースト』は福祉業界の言葉ですが、次に耳にしたのは、都知事選(私は別の県に住んでいるので都知事選には関係ありませんが)で、小池百合子氏が『都民ファーストの会』を立ち上げた頃でしょうか?知事選には関係ないとはいえ、『都民ファースト』とは一体何を指すのか?と考えたものです。『チャイルドファースト』は、親より子どもを優先しようという言葉なので、対象も明確ですし、言葉として意図しようとしていることも理解できます。しかし『都民ファースト』となると、『都民』には、色んな立場の人がいる訳で、どういう人を優先しようとしているのか、よく分からないなあと感じたものです。まあ、政治の世界なので、(都)議会よりも、都民を優先しますよ、と言いたかったのかも知れません。

次は、参議院選での『日本ファースト』でしょうか?これは「移民に対する日本国民」という意味や「外国に対する日本」ということなのかも知れませんが、分かったようで良く分からない言葉です。参議院選挙は日本の選挙で、日本のことを考えるための議会なのですから、「日本ファースト」であるのは当たり前のことだと思いますし、「日本」という言葉が、国民を指すのか国を指すのかも不明確です。まあ、意図的に定義を不明確にしているかも知れませんが、何となく「日本」を大切にしますよというイメージ先行の言葉のように感じました。

そして、(衆院選の投票前は知らなかったのですが)先日散歩していたら、新党である中道改革連合のポスターに書いてあった『生活者ファースト』という言葉です。『〇〇ファースト』という言葉もここまでくると、本当に何を言いたいのか全く分からない印象になってしまいます。一体何を言いたいのか分からなかったので、検索してみると、「生活者」というのは、「国民や市民」ではなく、「日本で生活する人」全員で、「生活者ファースト」の対義語が「日本人ファースト」なのだそうです。

政策のキャッチフレーズ化は、今に始まったことではありませんが、検索しなければ意味も分からないようだと、キャッチフレーズにもなっていないのではないかと思いますし、(おそらく)中道改革連合が大切にしようとしている「多様性」を裏切ることになっているような気もします。

色んなことを理解しやすくするためには、単純化も必要な要素ですが、単純化し過ぎると伝えきれないことが起こるし、『多様性』というのは実際に起こっていることだと思うので、『多様性』を理解するためには、複雑なことも理解しようとする覚悟が必要な気がしたエピソードでした。

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