#105 自分探しと母からの自立

日常のエピソード

先日、アマゾンプライムで「凪のお暇(なぎのおいとま)」というドラマを見ました。2019年にTBSで放送されたドラマだそうです。主人公は黒木華(今後「凪」と書きます)、相手役は高橋一生(今後「相手役」と書きます)です。凪は28才独身ですが、就職して働いています。凪は、その場の空気を読み過ぎて自分を主張できないという設定です。相手役は、会社内ではやり手とみなされ、主人公とは秘密で付き合っています。ある日、相手役が会社内の他の男性社員と話していて、恋人(凪)のことを指摘されると、相手役は「SEXの相性がいいだけ」と言い、それを聞いた凪は過呼吸となり倒れてしまいます。それがきっかけとなり、凪は会社を辞め「自分探し」をするために安アパートに引っ越しして新たな人生を始めようとします。その後、隣人や同じアパートの人たちとの交流、ハローワークで知り合った女性との関係など、色々と話は広がるのですが、そうした周囲の人たちとの交流の中で、自分らしく生きていこうとすることと、最終的には空気を読むように育てられた実母からの自立がテーマとなっていきます。結果的には、相手役とも別れて自分なりの道を進んでいくということになります。

このドラマを見て、テーマとしては、昔からある「アイデンティティの確立」や「自立」がテーマで、最近の流行なども取り入れた物語かなと思いましたが、ちょっとびっくりしたのが、凪が28才であることと、既に就職して社会人になっているという点でした。2019年のドラマですから、現時点と比較すると7年前。(7年前はもう既にかなりの過去になってしまうのかも知れませんが)私が大学生だった頃でも同じようなテーマは映像や文学などで多く表現されていたと思います。ただ、多くの場合は、いわゆる社会に出る前のテーマだったような気がします。

最近は、「大人」になるのが遅くなっていると聞きますが(それが良いか悪いか、あるいは「大人」とはなんぞやということは別にして)、私の頃で言えば、大学卒業が22才位ですから、凪が28才だとすると、6才位の違いがあります。でも、凪は既に就職している訳ですから、就職の時には、あまりアイデンティティの確立や自分の中にある価値観といったことがテーマにならなかったということになります。あるいは、母親の期待に沿うように就職したのかも知れません(そのあたりはドラマでは触れていません)。それが社会に出てからテーマになり、(このドラマは視聴率はあまり高くなかったそうですが、評判はよかったようです。原作は漫画のようですが)一定程度は共感を呼んだようなので、設定にあまり違和感はなかったということなのでしょう。

「生きづらさ」ということは、人生のどの時点でも感じることがあると思いますが、人が「社会人」になっていく過程においては、アイデンティティの確立や自立ということは普遍的なテーマの1つだろうと思います。それが、少しずつ後送りになってきているのだなあと感じた日でした。

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