また、NHK朝ドラのネタで恐縮ですが、表題のセリフは、ドラマの中では「看護は奉仕ではありません」というもので、看護婦学校のバーンズ先生のセリフです。
このシーンの前段では、主人公の一人(一ノ瀬りん:見上愛)が侯爵夫人の担当となり、侯爵夫人としての立場とは異なる素の女性としての弱さに寄り添うことで、手術にも立ち会い、手術が成功し侯爵夫人から心強かったと感謝されるということがあったのですが、バーンズは、それらのことも知った上で、表題のセリフを言います。この「〇〇は奉仕ではない」という「〇〇」には、人を相手にする仕事、例えば、介護だったり、子どもへの支援であったり、もしかしたら教育(教諭)にも当てはまるかも知れません。
「看護は奉仕ではない」というのは、ドラマの中では説明はありませんでしたが、おそらく看護は仕事であって奉仕ではないということなのでしょう。ドラマの中で一ノ瀬りんは、患者の気持ちに寄り添おうとするキャラクターとして描かれているので、つい患者にのめり込んでしまいがちになる傾向があるとされています。このエピソードの前に実習で初めて担当することになった患者に対しても、患者の内面に入り込もうとする姿が描かれ、その患者が退院した後、バーンズ先生から、患者からの感謝の言葉が欲しかったですか?それは「強欲ですね」と言われてしまうシーンもあります。
人間相手の仕事は、対象となる人達からの感謝の気持ちが仕事を継続する糧になる側面もあると私は感じてきました。
しかし、このドラマで描こうとしているのは、「看護は仕事」であって「奉仕」ではないことを言いたいのだろうと感じています。ここでいう「仕事」という言葉を私なりの言葉に置き換えると「プロ」という言葉になります。「仕事」であれ「プロ」であれ、お金を貰って必要な業務を行うことを考えると、それは誰に対してであれ自分が持っている知識やスキルを平等に提供することが大切なことなのだろうということです。対象となる人からの感謝の言葉(態度)は、結果としてあると嬉しいことではあるけれど、感謝されることが目的になってはいけないということなのだろうと思います。
ここは、難しいところで、感謝されることが目的になることは、誰のために仕事をしているのか?ということにつながります。人間相手の仕事をしていると、つい感謝されることが嬉しくなり、感謝されようとして(この感謝されようとする、ということは、感謝されることで自分の存在意義を感じてしまうような、対象となる人のためというより自分のために仕事をしてしまうことにつながりかねません)仕事をしてしまう、本当は対象となる人のためには、厳しいことも言わざるを得ない場面もありますが、感謝されるために、厳しさを回避してしまうようなことになりかねません。 そんな「プロ」という言葉を思い出した出来事でした。
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